インテリアをデザインする上で最も考えなければいけない事はそこに住む人とインテリアの調和です。オシャレなインテリアでも住む人が快適に過ごせないのであれば意味がありません。
ここでは、インテリアデザインを考えるうえでのあなたのライフスタイルとインテリアを考えます。
まずは、インテリアのアイテムにこだわるのではなく、家族全員の意見を聞きながら暮らしぶりや好み、性格などをキッチリと見つめなおして見ましょう。
方法としては、各部屋ごとの過ごし方や収納物の量、インテリアの好み、今その部屋で過ごすにあたっての不満などをリストアップしていきましょう。
インテリアの各要素のバランスを整える
インテリアデザインを個人で考えていくのなら「質感」を考えるようにしましょう。
質感とは、やわらかい、硬い、暖かい、冷たいといった各要素が持つ表情の事です。
例えば白いカーテンであってもツヤがあるものとツヤが無いものでは雰囲気が違ってきます。
デザインのみにこだわるのではなく、質感についてもかんがえていきましょう。
【各インテリアアイテムのメンテナンスを考える】
インテリアデザインに用いる各家具や雑貨、アイテムについてはメンテナンス性についても十分に考慮しましょう。
例えば、白い色でまとめたインテリアは非常に人気の高いデザインですが、あまり掃除に時間が取れない家庭や小さな子供がいる家庭でそのデザインを選択してしまうと大変です。
汚れが目立ちやすい白を基本カラーとしてしまうと、その分メンテナンスに時間をとることができるというのが前提となります。
それでも白を基本カラーに纏めたいという場合は、掃除や選択がしやすいカバーが取り外せたり、選択したりできるタイプのものを選択するようにしましょう。
また、折角のインテリアデザインも掃除が行き届いてこそキレイに見えるものです。
家具の配置などは掃除機の通り道など掃除のしやすさも重視しましょう。
混み入った家具の配置は避けて、平面で見てもシンプルなレイアウトにするようにしましょう。
【インテリアデザインは長期計画で】
インテリアに凝ると高価なデザイン性のある家具で統一したくなりますが、どうしてもお高くなってしまうものです。
しかし、予算が少ない=安物で妥協、というのはよくありません。
中途半端なものに囲まれて、すぐに買い換えるのであれば安物買いの銭失いになりかねません。
予算が限定される中でインテリアコーディネートをするのであれば、2年や3年後をゴールに優先順位の高い順にインテリアをデザインすることでインテリアデザインの技術も磨かれ長期的な視点で完成度の高いインテリアデザインを構築する事ができるはずです。
インテリアスタイルの種類
【インテリアスタイルの色々】
ここでは、一般的に利用されている様々なインテリアスタイルについてそれぞれのデザインの特徴と雰囲気などを解説していきます。
【シンプルなデザインの特徴】
無地のアイテムや家具でまとめるケースが多いですが、無地以外にもストライプや自然をモチーフにしたような柄物などを多用します。
家具については、装飾をできるだけ省いた直線的なデザインが多く、華奢なイメージを出した方がよいでしょう。
建材や家具の材質としてはオーク材などのライトな感じがするものがアイ、部屋自体が茶系のコーディネートとなります。
シンプルなデザインは飽きがこないものですが、その分インパクトに欠ける傾向がありますので、できればクッションなどにアクセントカラーを使って変化をもたせましょう。
【モダンなデザインの特徴】
イタリアンモダンなデザインでは、シンプルな空間に大胆なフォルムの家具が映えるインテリアデザインが多く、ソファには革などの高級素材を使い、無彩色の黒系の色も大胆に使うケースが多いです。
このほか、プラスチックや合板などを用いたカジュアルなモダンデザインであるアメリカンモダンや、自然素材を使ったシンプルなデザインである北欧モダンなどのが有名なモダンデザインです。
【アジアンなデザインの特徴】
アジアンスタイルの家具デザインはリゾートホテルのようなくつろいだ雰囲気を醸し出す事ができるデザインです。
主に天然素材を用いた家具や雑貨などが多いのが特徴的。
基本的にアジアンスタイルは国別に個性が強いので、基本は一カ国のスタイルにまとめるのがよいでしょうが、インテリア中〜上級者の場合は、複数の国の家具をポイントごとにミックスさせても良い。
アジアンスタイルの注意点としては、東南アジアから直接輸入されている家具や雑貨などには害虫が付いている事もあるので、こういったアイテムは信頼のおけるショップや業者から購入するようにすると良い。
【和風なデザインの特徴】
和風デザインについては、日本の生活様式である床に座るスタイルやロータイプのソファなどの視線をできるだけ低めにするデザイン。
家具は直線的なものが選ばれるケースが多く、白木が中心。カーテン地は和風柄のものや和紙、障子などが利用されます。
また、伝統的な民芸家具を取り入れたインテリアで色使いとしては主にこげ茶が使われることも多いです。布製品も藍染やかすり柄といった素朴なものが合います。
家具配置のチェックポイント
【歩行および動作のスペース確保】
インテリアデザインにおける家具のレイアウトは動線計画にあります。動線とは、人が動く軌跡のことを指します。家具を配置するときはこの動線をできるだけスムーズに直線的にできるように配置に工夫する事が大切です。
まず人が歩行するには通路スペースを確保する必要があります。
大まかなスペース感覚は以下のようにとらえてください。
(1):人一人が横向きであれば通れる・・・45cm
(2):人一人が正面を向いて通れる・・・60cm
(3):人二人がスムーズにすれ違える・・・120cm
寝室などの人があまり出入りしない部屋ならいいですが、リビングやダイニングといった家族や友人などたくさんの人があつまる場所では、特に使用頻度の高いソファやダイニングテーブルへの通路などはゆったりと確保するとよいでしょう
【目障りなモノや視線をさえぎる物を取り除く】
広くてきれいなインテリアを作るには視線計画もしっかりと立てましょう。
視線計画とは、私達が生活する中で視線が向かう方向です。
例えば、食事をしながら生ゴミが見えてしまうのは嫌ですよね?
また、できるだけ開放的で広くみえるように工夫することで、狭い部屋でも窮屈な感じをださないようにすることができます。
まず、視線の広がりを見せるコツとしては、窓の外の広がりを利用しましょう。
視線を外に向けさせる事で外部の開放感から部屋が広く見えます。
特に広いまどがある家ではこのテクニックが活躍するはずです。
また、視線の先にその視線をさえぎるものがあっては、開放感が失われます。
キッチンからはダイニングやリビングの様子が確認できてもよいですが、リビングからキッチンが見えるように家具を配置してしまうと雑然とした印象を与えてしまいます。
【家具はできるだけ集中配置する】
特に小さい部屋の場合、床の見える範囲が大きい方が部屋に広がりを見せる効果があります。そのため、家具はある程度集中させて、フリースペースをできるだけ確保しましょう。
コーナーなどを上手に活用して無駄なデッドスペースをできるだけ小さくするように心がけましょう。
また、家具を集中して配置するにあたっては、しっかりとしたスペースの寸法計算なども重要です。
【家具の色・高さはそろえて配置する】
インテリアの第一印象は色使いです。
「インテリアデザインの基礎」では様々な色使いや色の組合せについて解説してきました。
家具の配置については、この色をそろえて使うというテクニックと併せて、家具同士の高さを合わせるようにしましょう。
また、前面に出てくるラインもそろえるようにする事で統一感を出す事ができます。
どうしても利用している家具の高さが合わないというのであれば、一番高い家具に合わせて板をのせたり、スクリーンなど隠してしまうのもテクニックです。
【遠近法の活用テクニック】
遠近法とは、近くのものは大きく、遠くのものは小さく見せるという絵のテクニックの一つです。
これを家具の配置にもぜひ活用してみましょう。
例えば、前面には大きめの家具を配置して、奥には小さめの家具を配置する事で部屋が広く見える錯覚をおこします。
使い方としては、手前のダイニングテーブルを大きめのものにして、奥に配置するソファやテーブルを低めのものにするだけで部屋の印象はガラリと変わります。
【リビングおよびダイニングの家具レイアウトについて】
リビング・ダイニングに関わらず家具を配置する際は、開口部の位置を確認するようにしましょう。特に、ドアを開けたときにドアが壁にぶつからないか?採光や通風の障害にならないか?をチェックしましょう。
リビング・ダイニングは食事をしたりくつろいだりする空間にあたりますので、必要な家具なども多くなりがちですが、加えて座ったり立ったりという動作も多くなりますので、これらの動作が無理なくできるスペースの確保も重要になります。
ダイニングルームが独立している場合の家具レイアウトダイニングルームが独立している場合、おおよその広さは6-8畳程度が一般的です。基本的にダイニングテーブルは壁面につっくけるようにすることでスペースが活用できます。
リビングダイニングの場合の家具レイアウト8畳程度の比較的狭いリビングダイニングの場合、ダイニングテーブルやソファなどはできるだけ片方の壁側に配置するようにしてください。こうすることで、間口の狭さが強調されない為開放感を確保できます。
また、10数畳の広めのリビングダイニングの場合でしたら、自由度は高いので、ある程度の基本を守ればどのように配置してもよいでしょう。一般には、リビングとダイニングの機能を完全に分離するパターンか、リビングとダイニングの連続性を重視した形が一般的です。
【リビングにおけるソファの配置】
リビングでは、ソファがかなり重要な位置を占めるアイテムです。機能性を重視するのであれば、ソファとテーブル(ローテーブル)の間は50cm程度のスペースを作ると、楽に座る事ができます。、サイズ表が記載されており非常に利用しやすいです。
また、ソファの配置については、L字型と対面型、それ以外の配置法があります。L字はコーナーに設置する事でスペースを無駄なく活用できますし、相手を斜めにみて会話する事になるので緊張感を与えません。対して、対面型の配置は応接向きの配置法といえます。
寝室の家具レイアウトについて
また、寝室の特徴としてはベッドが占める割合が非常に大きなものになります。特に、シングルベッド2台にするか、ダブルベッド1台にするかで、寝室を利用できるスペースは全然違ってきます。
ベッドについて、壁に沿って配置する場合の注意としてはベッドを壁から10cm程度離しておくこと。こうすることで、掛け布団がずり落ちることがありません。
腰窓(床まで窓があるもの)付近にヘッドボードを向けてしまうと冬場は窓からの冷気が頭に伝わってしまうので注意しましょう。
2022/11/24 更新
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